令和5年度 活動方針

令和5年度 活動方針

<基本テーマ>

生徒の夢を創造し実現する農業教育の推進

 農業は、食料その他の農産物や林産物の供給を担うとともに、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等、多面的な機能を有する最も重要な産業であり、「国の基」となっている。現在の日本農業においては、農業者や農村の著しい高齢化・減少などの課題がある。また、頻発する大規模な自然災害、家畜疾病などの被害が農業の現場に深刻な影響を及ぼしている。一方で、コロナ禍を経て生徒を取り巻く学習環境にも新たな課題が生じている。様々な不安や悩みを抱える生徒、家庭生活に困難を抱えていても一見分からず見過ごされてしまう生徒など、多様な背景をもつ生徒の存在が一層明らかになっている。全国農業高等学校長協会では、生徒たちの学びを支える教員についても、専門性と指導力の向上はもとより、高い意欲と資質をもった教員志望者の確保や働き方改革の推進による負担軽減など、質の高い農業教育を実現する上でも早急に対応すべき課題が多くあることから、農業教員魅力発信対策としてPR資料作成を行い農学系大学へ配布した。

急速に社会構造が変化する昨今、「Society5.0」時代が到来しつつある中、AI、ビッグデータ、ロボティクス技術などの先端技術が飛躍的な進化を遂げ、様々な産業に取り入れられるなど、社会生活による変化が始まっている。農業分野では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立が求められ、農業教育の強みを生かしたSDGsの実践、AIIoTの利活用、スマート農業技術や新たなバリューチェーンの創造など、イノベーションの機会が生じている。

全国農業高等学校長協会は、農業教育の質の確保・向上を目指す一環としてアグリマイスター顕彰制度やGAP・HACCP等教育の推進を図るとともに、農業教育関係団体と連携する中で農業教育組織の課題改善に取り組んできた。また、新学習指導要領では、教科農業の目標として「農業の見方・考え方を働かせ、実践的・体験的な学習活動を行うことなどをとおして、農業や農業関連産業を通じ、地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を育成することを目指す」と示されたことから、農業のグローバル化への対応、Society5.0時代の日本農業の活力を創造する農業教育、農業教育を通した課題解決力の育成を図り、生徒の夢を創造し実現する農業教育を推進するため、第4次アクションプランを着実に実行していく。

1 総 務 部 会

     ①  各種会議の運営(理事会、総会)
  特別起草委員会取扱事項
③ 各種イベントやコンクールへの協力

2 研 修・研 究 部 会

     ①   学校運営等研究協議会の開催
   技術研修等の支援
③ 農業教育を担う人材の発掘と育成

3 連 携 部 会

     ①   産業教育振興中央会との連携
   全国農学系学部長会(大学)との連携
   全国高等学校農場協会との連携
④ 先端技術を有する関連事業者との連携

4 農業クラブ部会

     ①   学校農業クラブ活動の振興
   新学習指導要領の実施を踏まえた実施基準の検討
③リーダーシップの編集発行・誌面の充実

5 検 定 部 会

     ①   日本農業技術検定の支援と奨励
   日本農業技術検定協会との連携
③ 問題集・テキスト等の作成と発行

6 表 彰 部 会

     ①   アグリマイスター顕彰制度の普及・啓発
   アグリマイスター顕彰制度の申請及び運営改善
③ 農業教育功労者表彰、教職員表彰の実施

春季研究協議会      農業教育の推進を図る学校経営について
秋季研究協議会      農業教員の資質向上について
特別起草委員会

     ①   第4次アクションプランの周知と実行
② 農業教育研究協議会の共同開催に向けた円滑な準備